するとしないでは大違い!ペルソナ設定の重要性と方法

公開日:2017.05.09

こんにちは、Webディレクターの服部です。

Web制作をするとき、あるいは広告を出すときによく聞く言葉「ペルソナ設定」
ちゃんとできていますか?

やり方が分からなくて、大体わかっているからと省略をして、
何もしないままサイトやLPを作ったり、広告を出してしまったりしていませんか?

今回はそんな「ペルソナ設定」の重要性と、設定するときの方法について解説します。

ペルソナってなに?

「ペルソナ」とは、マーケティング用語の一つで、
「企業が提供する商品やサービスのターゲットとなる象徴的なユーザーモデル」
のことを指します。

具体例を示します。
「シワを減らす美容クリーム」を売るためのターゲットはおそらく「40~50代の女性」ですが、
それがペルソナとなると、さらに情報を掘り下げて以下のようなユーザーモデルを描きます。

42歳女性。既婚。小学生と中学生の娘が2人。パートタイム勤務。
化粧は薄塗り派だが、スキンケアだけはこだわりたい。
アンチエイジングが最近の気になるワード。
前まで気にならなかったほうれい線が気になり始めた。
最近スマホに変えていろんな情報を得られるようになった。
………などなど。

このように、単純な「ターゲットユーザー」とは違い、
より人物像について深く掘り下げた架空のユーザー像を「ペルソナ」といいます。

ペルソナを作るとどんな効果がある?

「ペルソナ設定が重要だ」ということはよく言われています。
その利点は、ユーザーへの理解が深まること、思い込みや関係者間での認識のズレを解消できることなど様々あるのですが、具体的にはどんな効果がが得られるのでしょうか。

必要なコンテンツが明確になる

詳細なペルソナ設定ができていれば、自ずとユーザーにとって必要なコンテンツが見えてきます。
また、反対に不要なコンテンツにも気付くことができます。
意外と重要なのはこの不要なコンテンツに気付く作業です。

WebサイトやLPを作るときには、あれもこれもとたくさんの情報を詰め込みたくなりますが、
あまりに情報過多になってしまうと、ユーザーが本当に必要としている情報に辿り着きづらくなってしまいます。
結果、ユーザビリティの低下が起こり、最悪の場合にはページから離脱してしまうかもしれません。

デザインがぶれない(納期が早まる)

WebサイトやLPの制作過程で、納期が大きくずれる原因の一つはデザイン工程です。
デザインに時間がかかってしまう原因はさまざまですが、制作側と発注側の判断基準として「ペルソナ」の存在があればその時間は短縮しやすくなります。
なぜならデザインの基準が「発注担当者や上司の好み」ではなく「ペルソナの好み」になるためです。
発注者の主観でデザインを決めていくと、関係者が複数いた場合に誰の意見を優先すべきかわからなくなったり、要望が対立した場合にどちらを選択すべきかわからなくなることがあります。
しかし、デザインの基準を「ペルソナの好みであること」にした場合、そのペルソナが好む他のサービスのデザインを参考にしたり、対立した意見が出てもペルソナが好みそうなのはどちらかという1つの軸に沿って客観的な判断をすることができます。
基準が明確なため、発注者だけでなく、制作側も迷うことがありません。
ペルソナを基準にしたテイストの提案はもちろん、これまで制作した類似のペルソナの実績に基づいた提案などもできるかもしれません。
そして、それは納期の短縮に繋がるだけでなく、リリース後のユーザーの好みとのズレもなくします。

広告効果が高まる

ペルソナ設定が活きてくるのは制作物だけではありません。
広告効果にも大きく影響を与えます。
世の中にはたくさんのキャッチコピーや広告クリエイティブがありますが、全ての人に刺さるコピーやクリエイティブというのは存在しません。
広告は、必ず何かしらセグメント分けされた対象に対して、ピンポイントに刺さるような言葉や画像を発信します。
うまく刺さるものを生み出せるかどうかは、対象となるユーザー像をどれだけ明確にイメージできているかにかかってきます。ユーザー像がぼんやりしていると打つ広告もぼんやりとしてしまい、誰にも刺さらないので誰も買ってくれません。
せっかく広告費をかけるのであれば費用対効果は高い方がよいはず。しっかりとペルソナ設定をしましょう。

ペルソナ設定は何をすればいいの?

実際にペルソナを設定していく場合、どのように進めればよいかをご説明します。

ターゲットユーザーのプロフィールを作る

まずはターゲットユーザーの詳細なプロフィールを作っていきます。
最初の「シワを減らす美容クリーム」の場合で例を示します。

氏名:高木 ゆみ
年齢:42歳
性別:女性
学歴:法政大学
居住:埼玉県の持ち家(ローン20年)
職業:パート(スーパーマーケットのレジ打ち)
肩書:主任(パート歴8年)
世帯年収:800万円
家族構成:夫、中学3年・小学6年の娘

上記のような形です。これらの項目を埋めるだけでも、単純に「40~50代の女性がターゲット」という状態よりかなりユーザー像が明確になりました。
さらに、見た目のイメージを可視化するためにプロフィール写真も選ぶとよいでしょう。

ターゲットユーザーの性格や行動パターンを想像する

プロフィール作りである程度ユーザー像が明確になった段階で、そのユーザーの性格や行動パターン、近況などを文章に起こします。
その際に「なりたい自分像」と「よく使うメディアとそのメディアを見る時間帯やシチュエーション」は必ず含めるようにしましょう。

・ママ友が多く、さばさばとしていて明るい。
・家事はテキパキこなすが、たまに抜けているところがある。
・来年には次女も中学生なのでこれまでより自分のために時間を使いたいと考えている。
・最近、娘に「お母さん、老けたね」とからかわれるのを実は気にしている。
・CMでよく見る「アンチエイジング」という単語が気になり始めた。
・派手な化粧や高い服には興味はないが、若々しい肌には憧れる。
・娘の友達に「お母さん、綺麗だね」と言われてみたい。
・長年ガラケーを愛用していたが、先日スマートフォンデビューした。
・娘にスマホの使い方を教えてもらいながら楽しんでいる。
・パートの休み時間にはスマホでニュースなどを見るようになった。
……などなど

このようにユーザーの性格や行動を言語化していくことで、よりユーザー像が明確になるため、
デザインや広告をつくる際に、よりターゲットユーザーに刺さる言葉やクリエイティブを生み出すことができます。

ターゲットユーザーにインタビューをする

可能であれば作り上げたユーザー像に近い人にインタビューをしましょう。
インタビュー内容は訴求したいサービスや商品によっても変わってきますが、主に以下のような内容を押さえておきましょう。

・基本プロフィール(年齢・学歴・居住環境・世帯年収・職業・家族構成)
・情報の入手方法(よく使うデバイス、使用しているSNS、見ている時間帯・状況)
・商品選定時に見ているもの(何を基準に比較するか、何がNGか、どんな言葉に弱いか)
・商品購買の決め手になるもの(何が決め手になったか、どのような状況で決めたか、誰かの後押しはあったか)
……などなど

これらの内容をインタビューすることで、発注・制作側の思い込みを解消したり、新たなユーザーの一面を発見することができます。
既存のコピーやクリエイティブをブラッシュアップに繋がることはもちろん、新たな施策展開への可能性も開けます。

チームで共有しなければ意味がない

ここまでペルソナ設定についてご説明しましたが、この作業は自分ひとりで、あるいは自分のチーム内だけでやっていては意味がありません。
WebサイトやLPの制作チームだけでなく、広告チームや営業担当まで。もちろん、受注側・発注側の垣根もありません。
商品やサービスを届けるべきユーザーに向けて、関係者全員で共有し、議論しましょう。
この共有と議論の繰り返しによって「ユーザーに刺さる」ものは生み出されていくのです。

いかがでしたか?
これまでなんとなくで乗り切っていたペルソナ設定、もっとしっかりやるべきだった!と後悔している方、今からでも遅くありません。
この記事を参考にして是非始めてみてください。

執筆者情報

J-Grip Marketing編集部

Web集客・制作分野におけるブランディング・コンサルティング・マーケティングのプロフェッショナル。効果的でありながらWeb集客の本質に関する情報を、専門的にかつ分かりやすく紹介いたします。

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